「創傷部位記録・褥瘡計画書」DESIGN-R2020 改定対応のお知らせ

「褥瘡計画書」の書式が DESIGN-R2020版に更新されたことを受け、「創傷部位記録」と

「褥瘡計画書」をDESIGN-R2020版へと改定対応をしました。

 

【主な変更箇所】(他にも、軽微な文言変更は複数個所あります。)

下記の2項目が追加されました。

・「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」(深さ)

・「臨界的定着疑い」(炎症・感染)

 

では、追加になった項目の定義を今一度確認していきましょう。

 

深部損傷褥瘡(DTIとは

「圧力やせん断力によって生じた皮膚軟部組織が損傷に起因する、限局性の紫色または

栗色の皮膚変色または血疱」と定義されています。

DTI疑い所見の主な確認方法】

視診:発赤・紫斑・浮腫・水疱・びらん・浅い潰瘍

触診:硬結・泥のような浮遊感・温冷感

 

【褥瘡?と悩ましい時の判別方法(反応性充血と褥瘡の鑑別)】

指で3秒間押して、圧迫している部分の発赤が消退するかどうかを確認します。

白く消退する発赤であれば、反応性充血(真皮深層の微小血管の拡張)であり、

白く消退しなければ褥瘡と考えられます。

 

DTI疑いのケアは?】

徹底的な除圧と経過観察です。急性期褥瘡として、こまめに観察をしていきましょう。

 

臨界的定着疑い(クリティカルコロナイゼーション)とは

肉眼的に明らかではないが炎症が生じ、バイオフィルム(多種類の微生物の集合体)を伴う

細菌による感染が生じている状態。

創面にはぬめりがあり、炎症が持続しているため滲出液が多くなります。

肉芽が形成されている場合は、浮腫性で脆弱です。

 

 【洗浄方法】

 以前は、脆弱な創であるために「優しく、そーっと」洗浄することが常でしたが、

 壊死組織、組織の残骸、バイオフィルム、垢、鱗屑、角質、汚れなどを除去することを

 

目的として、しっかり洗浄することが推奨されています。