「心不全を見抜こう!」その3

さて、「心不全を見抜こう!」その3は右心不全についてみていきましょう。
 
右心系の働きは、全身から戻ってきた血液を肺に送り届けること。
とても重要な仕事をしているのですが
全身に血液を送り届けるという派手な仕事をしている左心系と比較をすると、
サイズも小ぶりで、(心筋の厚さは右心系の1/3)やや背面に位置しているので
トラブルが見つけにくいという難点が・・・。
「膝から下に浮腫がある。これは右心不全による浮腫なのでは?」と思ったら
どうやって確認をしましょうか?
 
そもそも、右心不全になると・・・ 
①出力が低下し、肺静脈圧が下がる→これは五感ではわからない。
            ↓ 
②内容積が増大し、右心拡大となる→もともと小ぶりで、しかも手前に大きな左心が
あるので「その2」でご紹介をしたスクラッチテストでは判別ができない。
            ↓ 
手前でのうっ血 →よし!!これで見つけましょう!!!! 
 
【手前でのうっ血を見つける方法】
☆肝臓の幅を確認しよう!☆
右心房の手前にあり、体表面からでも変化がわかりやすい臓器、「肝臓」。 
この「肝臓」の幅を測定し大きさを確認していきましょう。
使う道具:聴診器 (これだけ!!) 
手順:①聴診器を、肝臓の位置にあてる 
   ②右の鎖骨中線上を上から下に向かって、シャカシャカと素肌を軽くひっかく
(スクラッチ) 
   ③音のボリュームが大きく変化した位置を上下2か所確認 
(音が変化した位置=肝臓の境界線=肝臓の幅)
    →幅が12cmを超えたら異常!!!(右心不全かも!!!)
 
 簡単!ですが・・・
肝臓の幅は個人差があります。もとの幅を知らないとこれだけでは確かな情報になりません。
ということで、次回はもう一つの確認方法をご紹介いたします♪