「適切な場所で本来の呼吸音が聴こえる」とは?

「呼吸」のアセスメントフローチャートQ8でこんな設問があります。
「適切な場所で本来の呼吸音の聴取あり」
これは、「気管支呼吸音化」や「無気肺」の有無を確認するための設問です。
 
ちょっと寄り道:『気管支呼吸音化』
通常は、肺胞音(かすかな音しか聴こえない)が聴こえる肺野の下の方で、
大きなはっきりとした気管支音が聴こえることを「気管支呼吸音化」といいます。
<音の伝わり方>
音の伝わり方には、①空気っぽいものよりも水っぽいもの ②柔らかいものよりも硬いもの の方が遠くまで音を運びやすいという性質があります。
ということは、かすかな音である肺胞音しか聴こえないはずのエリアで、大きなはっきりと
した気管支音が聴こえる『気管支呼吸音化』が生じているということは、
①肺炎のような水っぽい肺になっている、もしくは②重度の肺線維症や腫瘍など目がつまり
堅いものに置き換わっている このどちらかにより、気管支エリアで発生している大きな音を、肺野の下方まで運んできてしまっているということが推測できるのです。
 
では・・・
水っぽい肺が音を遠くまで運ぶなら、「胸水」が溜っている方も『気管支呼吸音化』が
生じるのでしょうか?
 
では、山内先生のご回答!
「その場合は、『気管支呼吸音化』にはなりません。肺炎時の肺は、肺胞の中や、肺胞と
肺胞の間(間質と言いますね)に水分が染み出て、肺全体が水っぽくなったような状態。
これは音をよく通します。
しかし胸水は、肺をくるんでいる胸膜腔の中へ水が染み出た状態。
ここに水がたまると、肺という音源を体表面から遠ざける効果の方が強く、呼吸音は減弱
します。また胸膜腔に空気がたまる気胸も、胸水と同じ意味合いで呼吸音は減弱して
聴こえます。」
 
なるほど!同じ水分でも、たまる場所によって聴こえ方も違うというわけですね!!
ビジュアルを思い浮かべながら考えると、納得できます♪

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コメント: 2
  • #1

    伊藤弘子 (月曜日, 12 6月 2023 20:16)

    息を大きく吸うとカエルの鳴き声のような音がします。1日に3度くらい一、二分続きます。呼吸器内科では原因不明と言われ、少し数値が高いから喘息の薬を処方されましたが改善されていません

  • #2

    看護のアイちゃん (火曜日, 13 6月 2023 08:28)

    伊藤様
    コメントありがとうございます。ご心配ですね。
    すでに呼吸器内科を受診されているとのことですから、
    薬の効果報告も含めて、再受診がよろしいのではないかと思います。
    1回の処方で症状が改善されなくても、他の方法を検討されるかもしれません。
    お大事になさってください。