音叉でわかる!①難聴編

 

皆さんのステーションには、『音叉(医療用)』って、
ありますか?

 


実は、この音叉、「耳が聞こえにくくて」という方に対して
「何故に聞こえにくいのか??」を確認することができる優れもの!

 

すごい!!!

では、本題の前に少しだけおさらいをしましょう。

 

 

音は、空気の振動となって外耳道を通り鼓膜に伝わり、

耳小骨で約20倍の大きさの振動に拡大されます。

 

(ここまでが、空気を通して音が伝わる「気伝導」という音の伝わり方。)

 

ここが障害を受けると、音を大きくすることができない

①伝音性難聴となります。

 

その先では神経刺激となり蝸牛に伝わり、

さらに聴神経がその刺激を脳に伝達し、はじめて『音』として認識されるのです。


ここが障害を受けると、音を刺激として脳に送れない②感音性難聴となり、これは治りにくい・・・

 

①と②両方の障害を受けたものを③混合性難聴と呼びます。


【難聴(聞こえにくい)の原因】

①伝音性難聴 : 音センサーである蝸牛まで音が伝わらない。
             ⇒耳垢が溜まっている/中耳炎など
             ⇒治る可能性が高い!!
②感音性難聴 : 音は蝸牛まで届いているが音の刺激として脳に届けられない。
             ⇒加齢/騒音障害/薬物の副作用など
             ⇒治療がむずかしい・・・
③混合性難聴 : ①と②、合併した障害
 
これを頭に置きながら、次を考えてみましょう。

 

【リンネテスト】

 

①音叉を手首に軽く打ち付けて振動させます。
②振動をさせた音叉をお客様の乳様突起の上に当てます。(耳の後ろ)
 ブーンという音が聞こえなくなったら合図をしていただき、この間に聞こえていた
 時間の長さを測定します。(この時間は骨伝導で聴こえた長さです)

 

 

③合図後、すぐに音叉を耳元に移動させ、②と同様に音が聞こえなくなるまでの時間を測定します。

(②と③を合計した時間が気伝導で聴こえた長さです)

 

さぁ、どんな風に聞こえたでしょうか?

 

☆伝音性難聴 ・・・ 骨伝導>気伝導
伝音性難聴は中耳までの間の障害(耳垢つまりや中耳炎)なので、聴神経まで
音が伝わりにくくなっています。このため、空気を介して感じる音より骨を介して
振動として感じる方が大きくなります。
 
☆感音性難聴 ・・・ 骨伝導<気伝導
感音性難聴は内耳より奥、音の信号を電気信号に変える部分の障害なので、
骨伝導も気伝導も音として感じにくくなります。

 


ゆっくり考えたら、難しくないですね(*^_^*)

では、もうひとつ便利なテストをご紹介☆
「片方の耳だけ、聞こえにくいんだよね」という場合に有効です。

 

<ウェーバーテスト>
 
①音叉を手首に軽く打ち付けて振動させます。
②おでこや頭頂部の中心に音叉を当てます。
③左右、どちらの方が大きく聴こえますか??
 
これは骨伝導が左右対称に伝わっているかを
確認できるテストです。

 

☆聞こえにくい方の耳側が大きく聴こえる
  ⇒伝音性難聴!
    聞こえにくい方は耳垢などで周囲から入る音が遮断されているため、
    骨伝導の音が際立って大きく聴こえるのです。
   (自分の耳に指を入れて、疑似伝音性難聴を体験してみてみましょう☆)
 
☆聞こえにくい方の耳側が小さく聴こえる
  ⇒感音性難聴!
    音センサーが壊れているので、骨伝導にしても音は小さくなります。

 

ナースバックに必ず1本!というほどではないにしても、
(緊急度が低いものなので) ステーションに1本あり、

気になった時に確認ができたら便利ですネ(*^_^*)
 
次回は、同じく 「音叉」 を使って、糖尿病の方の神経障害の進行具合
確認します。お楽しみに!!
  


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